不動産投資経験のある30代の子育てライター。不動産関連の記事を中心に書いています。

不動産投資入門!初心者には中古アパートがおすすめ

「将来の資産形成のため」「本業以外で収入を得られるようにしたい」「相続税対策」など、不動産投資を始めるきっかけは様々でしょう。不動産投資では、投資に関する知識のみならず、不動産賃貸経営、不動産管理、税務と言ったあらゆる知識が必要不可欠です。初心者がそれらの知識やノウハウを身につけられるのが、「中古アパート」への投資。

本記事ではその理由に加えて、初心者が良い物件を取得するためにできることをご紹介します。

 

不動産投資とは

不動産投資とは、利益目的で土地、建物をはじめとした不動産を取得し、そこから生まれるインカムゲイン(賃料収入)とキャピタルゲイン(売却益)を得る投資方法を指します。

現在は、家賃のように安定的な収入が得られる「インカムゲイン」を狙って投資をする人の方が多い傾向にあります。

一方で不動産売却時の値上がり益を狙ったキャピタルゲインを狙った投資は特にバブル期に盛んでしたが、初心者がそれを目当てに投資をするのは難易度が高いと言えます。なぜならキャピタルゲインを得るためには、①不動産取得価格を低くする、②取得後にバリューアップする、③不動産市場の価格変動を読む、のいずれかが達成できなければ難しいからです。

投資対象不動産は、アパートや貸家などの住居として貸し出される物件の他に土地、商業ビル、オフィスビル、ホテル、コンテナというように賃貸ができる物件全てです。プロ投資家であれば様々な物件に投資できるでしょうが、物件価格、リスク度合い、入居者選びの難しさから初心者向けは住居利用のものがほとんどと言えるでしょう。

 不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン

不動産投資では、売却をしない限り家賃が主な収益源であるため、株式のように景気で大幅に収益が左右するということはありません。もちろん景気変動を受けて家賃を多少上げたり下げたりということもありますが、それも頻繁に起こることはないでしょう。

また、減価償却によって徐々に資産価値が下がったり、地価変動で価値が多少前後したりすることはありますが、それが急高騰・暴落することは考えにくいです。

一方で、現物資産であるために風水害や地震のリスクがあります。災害リスクに対しては保険に入ったり、事前にハザードマップをよく確認したりするなどをして対策を講じましょう。

 不動産投資のメリット

不動産投資の最大のメリットは、金融機関で融資を受けることで得られるレバレッジ効果を享受できることです。「テコの原理」を意味するレバレッジ効果とは、金融機関から借入れをすることで自己資金のみで投資するよりも大きな資産が取得でき、自己資本に対する利回りも大きくなるという効果を意味します。

不動産は相続税の計算において評価が低くなるので、相続税対策としても注目されています。土地は、公示地価(時価)の8割程度にあたる相続税路線価、建物は時価の6割程度にあたる固定資産税評価額で評価。加えて、建物は人に貸している場合はさらに3割程度評価が下がります。

また、金融機関から借入れをする際に加入することになる「団体信用生命保険」が万が一のリスクに備える役割を果たすため、生命保険という側面も併せ持っています。

参照:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm 

不動産投資のデメリット

不動産は流動性が低い資産です。売却時は、買主を探して交渉の上契約を結び、決済・引渡しとなるので株式のようにすぐに現金化することはできません。

その他に空室リスク、災害リスク、地価の下落リスクを抱えています。空室リスクについては後述しますが、特に区分所有や戸建て賃貸の場合は入居者が居なければ収入がゼロとなり、ローンの返済にも支障が出ます。 

投資物件取得時の流れ

本記事では各項目について詳説はしませんが、不動産投資の流れはおおよそ以下のとおりです。

①   情報入手

②   物件の調査・取得検討

③   価格交渉・資金調達

④   契約

⑤   決済・引渡し

 

初心者に中古アパートをすすめる理由

不動産投資を始めるにあたり、初心者には住居系の物件の中でも特に中古アパートをおすすめする理由を以下でご説明します。 

新築物件は割高で低利回り

新築の場合、当然ながら設備は全て新品であるため、すぐに修繕が必要になるケースはないでしょう。しかし、その販売価格には販売業者の利益、いわゆる「プレミアム」が乗っています。そのため、販売価格は相場と比べて少なくとも2割は高くなっているでしょう。

新築物件は人が居住した時点、または未入居であっても販売から1年が経過した時点で「中古物件」となります。つまり、新築物件は利回りが低い上に、価値の下落スピードが早いのです。

不動産投資では、物件取得額が最大の要であり、その後生み出す利益を大きく左右すると言っても過言ではありません。「利回り」「初期費用」「キャピタルゲイン」のいずれも、物件取得額が低い程利益に繋がります。

よって、価格が抑えられ(相場程度、またはそれ以下)、利益を出しやすい中古物件の方が初心者向きだと言えます。 

中古物件は初期投資額が抑えられる

不動産取得時に必要なお金として、物件取得費の他に初期費用があります。初期費用とは、登録免許税や不動産取得税などの税金、仲介手数証、保険料などで、一般的に物件価格の6~8%とされています。

また、不動産投資では金融機関から融資を受けることが可能ですが、そのためには自己資金(頭金)が必要です。金融機関の中には少額の自己資金で融資を出したり、フルローンを組めたりするところもありますが、それは結果的に月々の返済比率を高め、キャッシュフローを圧迫します。少なくとも物件価格の10%以上に相当する自己資金を用意するようにしましょう。

以上のように不動産投資を始めるには初期投資額としてまとまった資金が必要であるため、その額の要である物件価格が低い中古アパートを選ぶことが無難です。

 中古アパートは空室率を下げられる

空室率とは、「賃貸物件(居室)総数に対して入居者がいない部屋がどれだけあるか」を指します。例えば、マンションの区分所有や戸建て物件の場合、空室率は0%か100%です。賃借人が退去して、新たな賃借人が入居するまでのローン返済は賃料収入がない以上、オーナーの持ち出しになってしまいます。

一方で複数の居室を有するアパートの場合は空室リスクを分散でき、空室率を下げることができます。

特に、限られた自己資金の中で不動産投資を始めた人は、月々のローン返済が賃料収入で賄えなくなるのは大きな痛手です。返済が滞れば、金融機関からの信用も無くなってしまいます。手堅く始めるのであれば尚更、空室リスクが分散された中古アパートが良いでしょう。 

中古アパートは不動産賃貸経営を体系的に学べる

不動産投資をするこということは、不動産賃貸経営をするということです。管理会社に家賃の回収から修繕対応まで全てお任せすることは可能ですが、初めての物件は不動産賃貸経営を学ぶためにも極力自分で管理することをおすすめします。

部屋が複数あるので、物件を取得してから早々に入退去が発生することもあるでしょう。共用設備の清掃やメンテナンスは定期的にやらなければなりません。「どこにどれだけコストが掛かるのか」「どこを改善すれば利益を増やすことができるのか」など、実際に経験するからこそ分かる学びがたくさんあります。後々に管理会社に任せるにしても自分で知識やノウハウを持ち合わせていれば、無駄にコストを掛けることがなくなり、キャッシュフローにもプラスとなるでしょう。

単に、「物件を取得して賃料収入があれば良し」とするのではなく、不動産投資ビジネスを成功させるためには不動産賃貸経営を学ぶことが必要不可欠です。比較的小規模で、リスクが低いとされる中古アパートは初心者が不動産賃貸経営を体系的に学ぶのに最も適していると言えます。

 

初心者が良い物件を取得するためにできること

初心者が良い物件を取得するためにできること

不動産ポータルサイトを見れば、全国各地でたくさんの売り物件が掲載されています。近所の不動産屋の前を通れば、売り物件のチラシがたくさん貼られているでしょう。

以下では、たくさんある売り物件の中から、経験もツテもない初心者が「良い物件を取得するためにできること」をご紹介します。 

不動産投資の知識を高める、情報収集をする

とても原始的なやり方ですが、不動産投資は知識なくしてできません。知識を増やすためには、不動産投資に関する本やインターネットの記事を数多く読みましょう。これは多ければ多いに越したことはありません。本であれば最低5冊、できれば10冊以上読むことをおすすめします。不動産投資、賃貸経営、管理、そして税務やキャッシュフローの知識を持ち合わせた上で始めなければ多くの場合、どこかでつまずいてしまうでしょう。

不動産ポータルサイトや各不動産会社のホームページを見れば、多くの売り物件情報を見ることができます。不動産投資の知識を高めながら、「物件取得を検討している地域にはどのような売り物件が出ているのか」「価格や地域、諸条件面で自分の希望する物件はあるのか」などの観点で日頃から物件情報を数多く収集する癖をつけましょう。そうすることで徐々に自分が求める物件像が見えてくるはずです。

近所の不動産屋を直接訪問して話を聞いて見るのも良いでしょう。実際にその地域の第一線で仕事をされている方と話をすることで、その地域の賃貸需給バランスや特性など、オンラインでは見えにくい情報を得ることができます。また、不動産屋と顔なじみになったり、あらかじめ希望する物件の情報を伝えたりしておくことで、インターネットやチラシなどで公開される前の売り物件情報を水面下で入手できる可能性もあります。 

土地勘がある場所の物件を選ぶ

初めての不動産投資は土地勘がある場所で物件を選ぶことを強くおすすめします。長く居住したことがある町や地元のことであれば誰しもが、その地域においてどこが「良い立地」なのか分かることでしょう。どこの地域も、「スーパーや薬局などの生活必需品を扱っている店舗が近くにある」「子どもを遊ばせられる施設が充実している」「高台に位置して水害リスクが低い」「街区がきれいで治安が良い」などの様々な観点で人気エリアとそうでないエリアがあります。

人気エリアであれば、多少家賃設定が高くても入居が見込めますが、人気のないエリアは、どんなに安くしても空室が続く可能性すらあります。

不動産投資では小規模から手堅く始めて実績を積み、徐々に規模を大きくし、物件数を増やすことが成功へと繋がります。知識や経験が不足している時こそ、土地勘がある地域の物件を選ぶことでリスクを最小化しましょう。 

各地域の暮らしに適した物件を選ぶ

都心で不動産投資物件を探す際には、「駅から徒歩何分か」というのが1つのキーワードになります。昨今のコロナ禍で実態は少しずつ変わる可能性があるものの、通勤や通学を念頭に考えると駅から近い物件は集客力が高いとされています。

一方で地方都市の場合はどうでしょうか。必ずしも駅から近い物件が人気ではないことが多々あります。例えば車社会の地域であれば当然、入居希望者の関心は「駅からの近さ」ではなく、「駐車場には何台車を置けるのか」「駐車場代はいくらか」という点であると考えられます。

個々の地域の事情に適した物件を選ぶことで、より多くの人に「住みたい」「借りたい」と思われる物件を選びましょう。

 

まとめ

株式投資に比べ不動産投資を始めるには、一定の自己資金が必要です。決して少額ではない資金を投じるからこそ、リスクは極力減らしたいと誰もが考えるでしょう。

不動産投資では、投資に関する知識のみならず、不動産賃貸経営、不動産管理、税務と言ったあらゆる知識が必要不可欠と言えます。これらの知識やノウハウを習得したり、不動産賃貸経営を体系的に学んだりしつつ、可能な限りリスクを低く抑えられるのが「中古アパート」です。

また、不動産投資では物件取得額の低さが利益に直結します。一般的に価格が抑えられる中古アパートは初心者にとっても利益を生み出しやすく、最初の実績をつくる物件として最適でしょう。

良い物件を取得して安定した賃料収入を得るために、まずは土地勘がある地域で中古アパート取得を検討してみてはいかがでしょうか。不動産投資初心者でも、小規模から手堅く始めて、徐々に規模を大きくし、物件数を増やすことで不動産投資の成功へと繋がります。